どこからが浮気なのか。
浮気とは、結婚生活の中で、パートナーとの約束や信頼を裏切る行為のことです。
しかし、その「浮気」の定義は一体どこから始まるのでしょうか?前回に続き、今回は夫婦間の「浮気の定義」を名古屋の女探偵が検証してみました。

夫(妻)以外の異性を好きになる
人の心には異性に恋をする機能が本能的に備わっており、結婚したからといってそれが無くなるわけではありません。いけないとわかっていても、夫(妻)以外の異性を好きになってしまうことがあります。日々の夫婦・家族との生活を少し息苦しいと感じたりしたことは誰しも一度はあると思います。そんな日々から少しだけ解放されたいと言った気持ちが、感情的な支えや理解、共感、新鮮さや冒険などを求めてしまうのだと思います。
結婚前の交際中や新婚の時の相手への好きな気持ちや愛情は、結婚し年月が経つにつれ薄れていき、子供が誕生することで父母となり、愛情がただの情に変わってしまうことは仕方のないことなのかもしれません。そして、お互いを男や女として見られなくなってしまう夫婦も少なくありません。
そんな時に、ふと出会った異性が魅力的に感じ、独身の頃に戻ったような何とも言えない感情が押し寄せてきて、気づいたら相手のことを好きになったしまった。恋人同士の場合と同様に、ほかの異性に心を奪われたら浮気と思う人は多いと思いますが、夫婦間の場合、相手のことを好きになっただけでは不貞行為にはならないので非常に厄介なのです。
異性と連絡を取る
結婚生活を送る中で、異性の知人や友人に対し、どのように距離を取って行くかは、個々に価値観や考え方により異なります。夫(妻)が異性との関係の在り方を軽く考え、連絡先を交換したり、連絡を取り合ったりすることもあります。たとえば、自宅にいても夫(妻)が堂々と親しそうに電話やLINEで話をしている姿を見れば、あまり気持ちのよいものではありませんよね。本人はやましい関係じゃないから堂々と夫(妻)の前で連絡を取り合っているのでしょうが、それによって苦痛を受ける人もいるのです。本当に連絡を取り合っているだけなのか、隠れて会ったりしていないだろうか、不貞行為はないだろうかと不安になり浮気を疑う人は少なくありません。
連絡を取り合う人相手にもよりますが、相手が仕事の関係者や顧客など職種によっては、業務上のやり取りで連絡を取らざる終えない場合もあると思いますので一概に異性と連絡を取り合う行為を浮気と判断するのは難しいところです。異性と連絡と取り合う行為は、不貞行為と認められませんが、誤解を招くような連絡のやり取りは配偶者に不安を与えかねませんので、ほどほどが良いですね。
異性と2人きりで会う
夫(妻)に内緒で異性と2人きりで会う約束をしている、あるいは2人だけで会うことは、お互いが気になる存在だからこその行為の現れです。2人きりで会っていたとしても、ラブホテルに行くなどの不貞行為と認められる行動がなければ、法的には浮気とはなりませんが、心情的には浮気と捉える人が多いようです。
「ただ会っていただけで何もない」とやましい関係でなくとも、信頼していた夫(妻)に裏切られたという思いを強く感じることになります。特に、女性は子供を出産してからは、育児に追われ自由な時間も減っていきます。そんな時に、夫が外で異性と2人きりで会っていることがわかれば強い怒りが湧いてくるはずです。中には、肉体関係さえなければ、何をしてもOKという割り切りのよい夫婦もいますが、結婚するということは、相手への思いやりが大切ですし、些細な事でも相手を悲しませる行為は慎むべきです。
異性と手を繋ぐ、腕を組む
夫(妻)が異性と手を繋いだり腕を組んで歩くというようなことは、普通は考えられませんので、相手と親密な関係にあることがうかがえます。まだ肉体関係がなかったとしたら、これは浮気予備軍と思える行動です。手を繋いだり腕を組んだりする行為は、もっと仲良くなりたいという心の現れでもあります。
法的には、手を繋いだだけの証拠では不貞行為と認められませんが、スキンシップはいずれ肉体関係に発展するであろう行為と見る人が大半です。手を繋ぐ行為は心のつながりを感じてしまい、精神的なダメージが大きくなる人は意外と多いようです。
異性とキスをする
キスをする行為は、浮気に該当する許しがたいものですが、不貞行為にはなりません。
手を繋ぐのと同様で、仲良くなりたい又は、好意を寄せている相手にしかしない行為です。
そして、手を繋ぐよりも相手に対して特別な感情があると判断されても仕方がないでしょう。
会社関係や友人同士の飲み会などで、その場の雰囲気で特別な感情もなくキスをしたとしても、配偶者にとっては浮気も同然と怒りが湧いてくるはずです。
キスをする行為は、配偶者にとって不貞行為にならなかったとしても、ほぼ浮気確定であり、現時点で肉体関係がなかったとしても、近い将来、必ず肉体関係になると思われても仕方のないことです。
異性と肉体関係をもつ
異性と肉体関係をもったら、これは浮気確定、いわゆる不貞行為です。
不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味します。夫婦間であれば、民法770条に離婚事由として規定されている通り、離婚の訴えを提起することができます。
ラブホテルに行った証拠を突き付けられても、「ラブホテルに行ったけど何もしていない」「これは自分じゃない」「知らない」などと往生際の悪い言い訳や開き直りをする人もいます。しかし、ラブホテルに滞在していた証拠があれば、仮に何もしていないと主張してきたとしても、今の日本の法律ではラブホテルは肉体関係を結ぶ場所であると認識され、不貞行為と認定されます。肉体関係が発覚してしまった以上、簡単には許すことができない行為ですので、夫婦生活を継続していくことが困難となり、いずれ離婚に至るケースも少なくありません。

まとめ
いかがでしたか?
夫婦の永遠のテーマとも言える浮気の定義・境界線。
夫婦間の浮気は、恋人同士と違い、法的な定義が適用される行為が存在します。夫(妻)が配偶者以外の異性と肉体関係をもち不貞行為と認定されれば、離婚の訴えや慰謝料の請求もできます。
しかし、限りなく肉体関係をもっているのと同等なほどのキスなどは、法的には不貞行為と認定されず、モヤモヤした気持ちになっている人は多いと思います。異性と連絡を取り合ったり、2人きりでデートをしたりすること自体、配偶者としてはショックで裏切り行為と感じる人もいるでしょうし肉体関係がなければ、多少の羽目外しは許すといった人もいると思います。しかし、離婚や慰謝料請求に踏み切る場合には「肉体関係」、つまり不貞行為の有無がボーダーラインとなってしまいます。
浮気の定義は人それぞれであり、個々の価値観によっても大きく異なるものです。
大切なパートナーと人生を共に過ごしていくためにも、浮気の定義は、夫婦で話し合い決めておくことが重要です。
あなたはどこまで許せますか?